World Cup 2023シリーズ第2戦はFranceのMontpellierで2023年5月5日、6日、7日に開催されました。第1戦のCANADA大会に引き続き、乾友紀子選手の帯同に行ってきたので綴っていきたいと思います。
アーティスティックスイミング乾友紀子選手 World Cup Solo Freeの試合準備編
通常、大会ではFreeからではなく、Technicalから開催されることが多いのですが、フランス大会ではFreeから始まることが多いです。大会に参加する選手の数、参加国が多いからなのかもしれないですね。
さて、当日のスケジュールですが試合開始時間がAM 9:00になっているので、ここから逆算して行動スケジュールが決まります。
AM 4:45にウォーミングアップを開始し、AM 6:00から髪あげ(ゼラチンを塗り、髪飾りをつけること)、メイクの一部を済ませ、食事をとって出発です。
試合当日の定番の朝食は、毎回定番の井村先生が作る「おにぎり」です。
こんな感じで、毎回具材の種類を変えてくれるなど、ウォーミングアップをしている時間に先生がいつも一人で作ってくださっています。
このおにぎりを食べながら乾選手は髪あげや出発の準備などをしています。
試合当日は7:30から8:30まで会場で直前練習が行われ、最終調整をその時間で行います。練習が終わると、身体の最終調整(ケア・コンディショニング)を行います。
最終調整のケアでは、手のひら・手の甲、前腕、上腕の調整と太ももの前の筋肉を調整して送り出すことが多いです。滅多にありませんが、その他に本人からオーダーが入ることもあります。
アーティスティックスイミング乾友紀子選手 World Cup Solo Freeの試合本番編
では、試合本番の映像をどうぞ。
TOTAL DEGREE OF DIFFICULTYが33.30点、ELEMENTSが293.9583点、ARTISTIC IMPRESSIONが95.4000点、合計389.3583点で優勝することができました。前回大会より合計得点が70点上乗せできています。
CANADA大会で各国の傾向をしっかりと分析し、今回のフランス大会ではROUTINEの構成を7点程難しい構成に作り替え、世界最高難易度を更新することができています。
また、合計得点70点分の上乗せも、計算通りできていて、うまく先読みして世界水泳に向けて準備ができていると言えると思います。
2位がオーストリアのVasiliki ALEXANDRI選手で TOTAL DEGREE OF DIFFICULTYが27.95点、ELEMENTSが241.8209点、ARTISTIC IMPRESSIONが92.8500点、合計334.6709でした。
乾選手とは 54.6874の開きがあります。この約55点の点数の差が大きいのか、小さいのか、この点差を安心して良い点の開きなのか?と考えると、まだこれに関しては答えが出ていないです。しかしながら、TOTAL DEGREE OF DIFFICULTY(難易度)が約5点の差をつけることができているので、こうした点数の差から計算すると、難易度1点の開きに対して約8点~10点弱ほどの差が生まれてくるものと推測をしています。このことからも、難易度の差は合計点数に関してアドバンテージになってくることは間違いないと考えられます。
3位はスロバキアのViktoria REICHOVA選手でTOTAL DEGREE OF DIFFICULTYが24.20点、ELEMENTSが185.2876点、ARTISTIC IMPRESSIONが75.5500点、合計260.8376点です。
Solo Freeの表彰式の様子は以下の通りです。
アーティスティックスイミング乾友紀子選手 World Cup Solo Freeの試合後編
試合が終わると、こんな感じで翌日のTechnicalに向けて再調整を開始します。
出番がお昼までに終了したので、ホテルに戻って頭のセットで使ったゼラチンを落としたり、メイクを落としたり身の回りのことをしてから、ゆっくりバスタブに浸かってリラックスをしてもらいます。
その後、写真のようにボディーケアを開始することが多いです。
ボディーケアの最中はその時々の心理的状況にもよりますが、あーでもない、こーでもないとしょーもない雑談をしていることが多いです。歳が近いこともあり、話題に尽きることはほとんどないですね。
ボディーケアが終了すると、明日のスケジュールに合わせて調整を開始します。
ちょうど、翌日は、AM 4:15からウォーミングアップを開始しなければ間に合わないScheduleだったので、そこから逆算して就寝時間は19:30時までに。夕食は18:00頃までにとしました。フランスは日照時間が長く、21:00過ぎまでは明るいです。でも不思議と、試合に合わせてスケジュールを調整していると眠れてしまうのです。
ワールドカップ第2戦 乾友紀子選手 Free Routine「試合サポート報告」 のまとめ
World Cup 2023 CANADA大会に出場し、新ルールのもと開催の大会は今回で2回目となりました。
少しずつ、このルールにも慣れてきて、どうすれば勝てるのか?など分析もしやすくなりました。しかし、一方で観客として演技を楽しむというものは今までの大会とは少し異なっているように思います。
技を先行した演技構成(難易度を稼がないといけないですから必然的にそうなりますよね)が主流で、今までの曲と同調し・表現してという芸術性要素や個性というものが少なくなってきたなと感じてしまい、やや物足りなく思ってしまうことも正直あります。
しかし、勝つことを目的に競技を行っているわけですから、愚直に探究し、7月の本番・福岡での大舞台に挑みたいと思います。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
次回の記事もたのしみにしていただけると幸いです。
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