アーティスティックスイミング 乾友紀子選手について
アーティスティックスイミング 乾友紀子選手のプロフィール紹介
生年月日:1990年12月4日
出身地:滋賀県
所属:一般社団法人井村アーティスティックスイミングクラブ/運動器ケアしまだ病院
コーチ:井村雅代
フィジカルコーチ:栄徳篤志
身長:170cm
体重:56kg
血液型:O型
星座:いて座
ニックネーム:ワン
尊敬している選手:宮川美哉(旧姓:立花)
出身校:立命館大学(2013年卒)
アーティスティックスイミング 乾友紀子選手の主な競技成績
2006年に世界ジュニア選手権大会の出場を果たし、以降多数の国際大会(World Cup、アジア競技大会、ユニバーシアード大会、アジア選手権、オリンピック競技大会、世界水泳選手権)に出場しています。また、ナショナルAチームには2009年(当時18歳)で初選抜されています。ここでは、オリンピック・世界水泳選手権とSOLO競技に専念した2022年以降の成績を紹介したいと思います。
2009年 世界水泳選手権(ローマ) DT:4位 / DF:6位 / TT:5位 / TF:6位 / FC:5位
2011年 世界水泳選手権(上海) DT:5位 / DF:5位 / TT:5位 / TF:5位
2012年 ロンドンオリンピック大会 Duet:5位 / Team:5位
2013年 世界水泳選手権(バルセロナ) ST:5位 / SF:5位 / DT:5位 / DF:5位 / TT:4位
2015年 世界水泳選手権(カザン) ST:5位 / SF:5位 / DT:3位 / DF:4位 / TT:3位 / TF:3位 / FC:3位
2016年 リオデジャネイロオリンピック大会 Duet:3位 / Team:3位
2017年 世界水泳選手権(ブダペスト) ST:4位 / SF:4位 / DT:4位 / DF:4位 / TT:3位/ TF:4位 / FC:3位
2019年 世界水泳選手権(光州) ST:3位 / SF:3位 / DT:4位 / DF:4位 / TT:4位 / TF:4位/ FC:3位
2020年 COVIT-19の影響で国際大会開催なし
2021年 東京オリンピック大会 Duet:4位 / Team:4位
2022年 世界水泳選手権(ブダペスト) ST:優勝 / SF:優勝
2023年
World Cup 2023#1 CANADA Markham大会 ST:2位 / SF:優勝
World Cup 2023#2 FRANCE Montpellier大会 ST:優勝 / SF:優勝
World Cup 2023#4 SUPER FINAL SPAIN Oviedo大会 ST:優勝 / SF:優勝
ST:Solo Technical / SF:Solo Free / DT:Duet Technical / DF:Duet Free / TT:Team Technical / TF:Team Free / FC:Free combination
乾友紀子選手が アーティスティックスイミングを始めたきっかけ
地元のスイミングスクールに通っていた頃、シンクロナイズドスイミング(当時)に興味を持ち、小学校1年生の時に滋賀シンクロクラブへ通い始めたそうです。小学校時代は全国大会を目標に遊ぶ間もなく練習の毎日で「シンクロをやっていて一番つらかった時期」と様々なメディア取材で答えています。
当時の映像では、コーチの注意を聞きながら、肘を掻いたり、鼻を触ったりしている映像が印象的です。その後、小学校6年の時に大阪の井村シンクロクラブ(現・一般社団法人 井村アーティスティックスイミングクラブ)に移籍し、自宅から片道2時間の距離を練習のある日は電車に乗って一人で通っていたのは有名な話です。
電車の中では学校の宿題をしたり、ルーティーンの振付けを覚えたりするのに時間を使っていたそうです。ちなみに、今もなお合宿外で大阪で練習をするときには、そのころと同じように、電車に乗って片道2時間の移動を続けています。
アーティスティックスイミング 乾友紀子選手がSolo競技専念を決めたきっかけ
東京オリンピック2020が2021年8月に終了し、大阪で行われた「水泳の日」のイベント終了後、メディアのインタビューの際に彼女はこう答えています。「ソロで(22年)世界水泳選手権大会に出場したいという希望です。デュエットとチームについてはわかりません。」それに対して、井村コーチはこうコメントされています。「乾はアーティストとしての目が開いている。彼女がやりたいという気持ちなら、そうしたい。」とサポート継続の意向を示されました。
新型コロナ感染症が蔓延し、開催が紆余曲折した東京オリンピック2020大会。
最終的には無観客で開催されましたが、静寂の中行われる試合となり、今まで経験したことのないどこか異様な雰囲気での大会でした。競技成績もメダルを取り逃し、心も身体も燃え尽きることができなかった。
年齢も30歳を超え、アスリートとしての人生も先は長くないこともあり、東京オリンピック2020以降は、自身の成長のことだけを考え、「(ASが)もっとうまくなりたい。」「もっと表現したい。」という強い思いを持って、SOLO専念を決意したということです。
アーティスティックスイミング 乾友紀子選手のモットー
「あきらめない」
初めてナショナルAチームに入ったのは、2009年で当時18歳の時でした。世界水泳選手権に当時からDuet・Team競技にメンバー入りして泳いでいましたが、成績は4位、5位、6位とどんどん下がっていきました。
成績が転落していくのは本当にあっという間でした。2004年アテネオリンピックまで日本のお家芸であったシンクロナイズドスイミング(当時の名称)ではメダルは当たり前のものでした。そんな先輩方の残した偉大な成績も落としてしまい、時には目標が見つからなくなる時期もありましたが、目の前のことをコツコツやり続けていたことを思いだします。
2014年からは井村先生がナショナルAチームに復帰され、どんなにしんどい練習でも、どれだけ長い練習でも、何回も何回も同じパートの練習を繰り返しても、どれだけきつい陸上トレーニングでも、どれだけ重い重量を持ち上げても、頑張って頑張って一つずつ目の前のことをクリアしていけばある日メダルを取ることができました。
1度目はリオデジャネイロオリンピック2016でデュエット・チームともに銅メダルを獲得できた時、2度目はSOLOに専念後の世界水泳選手権2022ブダペストでTechnical・Freeともに金メダルを取れたときに今まで「あきらめずに努力」し続けてきたことが報われたと本気で実感しました。と本人が語ってくれています。
アーティスティックスイミング 乾友紀子選手が見たあの日の表彰台からの景色
乾友紀子選手は、2022年のブダペストで開催された世界水泳選手権で日本人史上初めてSOLO種目において金メダルを獲得されました。しかも、Technical RoutineとFree Routineの2つで金メダルを獲得し、2冠を達成しています。
乾友紀子選手は、その時の心境を次のように語っています。「自分が表彰台の真ん中にから見た景色は、不思議な気持ちでした。」と一言目に言いました。それって、どういうこと?と聞き直すと、「真ん中に立っていることが。。。」とコメントを付け加えてくれます。
少し補足を入れるとすると、乾友紀子選手は、2013年のバルセロナで行われた世界水泳選手権からSOLO種目に出場していましたが、同年代にはロシアのSvetlana Romashina、Svetlana Kolesnichenko、Varvara SubbotinやスペインのOna Carbonell、少し前の時代にはウクライナのAnna Voloshyna、中国のXuechen Huangなどの選手たちがいて、2019年に韓国で開催された世界水泳選手権で2つの銅メダルを獲得するまで表彰台には乗ることができていませんでした。
そういった背景があり、上記のようなコメントになったんだと思います。また、乾友紀子選手は、「初めて上ってそわそわした記憶が鮮明に残っています。」とも言っていました。この言葉の背景には、初めて乗って気分が高揚したということや、今までの優勝者が見てきた景色を体験したということや、今までの優勝者と肩をならべることができた。など様々な感情が複雑に混ざったんだと想像します。
初めて自分で鳴らした「君が代」は約1分間でしたが、今まで何度となく聞いてきた君が代ですが、今までで一番沁みる君が代だったことに間違いはないのでしょうね。
アーティスティックスイミング 乾友紀子選手の得意技
「スピン」
スピンには、上記の図のようなベーシックなものがあります。水中で逆さまになり、倒立のポジションを保持しながら水平面方向に回転を行います。水中では陸上のように重力がかからないので、支点となるものがありません。自身の身体を微細にコントールして倒れないように姿勢を保持しなければならないのです。ここで話に出てくる「軸」というのは、頭のてっぺんから足の先までを一直線に結んだ「軸」を言うものと、身体の感覚で背骨を中心として各身体部位の位置を体幹筋を中心にシメて作り上げる感覚的な「軸」という2つを表現しています。
乾友紀子選手曰く、「スピンは軸が大事で、水中では頭を引っ張って感じています。例えるなら試験管の中に入っているような感覚です。」ということなんです。私は経験したことがないのでどういった感覚かはわかりませんが、普段の練習や感覚を聞いている時にいつもイメージしているのは次のようなことです。裁縫の際など針に糸を通すときに糸を通すときに口にくわえて糸を濡らし、ピーンッとさせた経験はありませんか?その、ピーンッとなった糸が軸を作った身体のようなイメージです。あとは、細い穴に糸を通すだけですよね?その糸を通すように1点を狙ってスピンの回転をしているという感覚なんではないかと想像をしています。
スピンを回っている時に注意していることは、回っている回数や位置が分からなくならないようにプールの壁を180度ごとに確認しているとのことです。バレエのターンと一緒で「視線を決める」というようなことですね。
目は回ることはほとんどないようですが、2023年に新ルールになり、技別の難易度が設定されたことで、今までの競技生活でやってこなかった反対周りのスピンを練習し始めた当初は目が回っていたそうです。アーティスティックスイミングのスピンやツイストなど水平面上で回転する技は従来左回りが基本でした。ですので、右回りのスピンに関しては、2023年までどの選手もほとんどやってこなかったのではないでしょうか?しかし、これからは左右どちらもスピンが正確に高い技術力でできないと高得点は得ることができないのです。
乾友紀子選手が新ルールになっても勝ち続けられる理由は、この高い技術力を必要とするspinを得意とし、他の選手よりも速いスピードで回転を正確に行うことができるからと言っても過言ではありません。世界水泳2023@福岡で泳ぐ、Technical Routine・Free Routineで彼女は一体、何回転するのでしょうか?そんなことに注目して演技を見るのも面白いかもしれませんね。
アーティスティックスイミング 乾友紀子選手を徹底解説のまとめ
2023年7月14日から福岡で開催される世界水泳選手権にアーティスティックスイミング競技Solo日本代表で乾友紀子選手が出場します。
乾友紀子選手は2022年Budapestで開催された世界水泳選手権で日本人初のSolo金メダリスト(2冠)に輝きました。
今年福岡で開催される世界選手権では「2連覇+2冠」を目標に出場します!
乾友紀子選手の出場予定は、
7月14日9:00~Solo Technical Routine予選→7月15日19:30~Solo Technical Routine決勝
7月17日9:00~Solo Free Routine予選→7月19日19:30~Solo Free Routine決勝
となっています!
是非、テレビ放送は「テレビ朝日系」で放送されますので、近くなりましたら番組表をご確認の上、ご覧いただけますと嬉しいです!
応援、よろしくお願いいたします。
今回の記事も最後までお読みいただきありがとうございました。
次回の記事も楽しみにしていただけると幸いです。
コメント