腰痛について
腰痛とは?
腰痛は病期別に分けて急性腰痛、亜急性腰痛、慢性腰痛の3つに分けられます。
よく耳にする、「ぎっくり腰」は急性腰痛に分類され、通常適切な処置を施せば4週間程度で80%改善すると言われています。
適切な処置とは治療院によって考え方がさまざまあると思いますが、 当院では痛みによって2次的に引き起っている症状を緩和し、動きをもとに戻しながら、そもそも腰痛を発症させた原因に対して簡単な体操(ストレッチとトレーニングを主としたあなたのためのオリジナルメニュー)を指導し、改善を図る方法を推奨しています。
腰痛とスポーツ
スポーツが原因で起こる外傷の約25%を腰部疾患が占めています。
腰部疾患をさらに細分化すると、いわゆる腰痛症が約24%、椎間板ヘルニアが約21%、分離症が約17%、その他が約15%と言われています。
適切なウォーミングアップや練習後のクールダウンとセルフケアで予防することが可能です。またそれに、可動域改善のためのストレッチ、弱い箇所を改善するための補強トレーニングを組み合わせればさらに予防力が高まります。
腰痛と若年アスリート
発育期のスポーツ活動と密接に関係があると言われており、12~17歳が90%を占めていると言われるのが、「腰椎分離症」です。
男女ともに14歳が一番多く、男女比は、5(男): 1(女)となっている。
スポーツ活動別では野球(軟式・硬式)が一番多く、次いでサッカー、バスケットボール、バレーボールとなっている。
発症の多くは股関節の可動域制限や、体幹筋力にアンバランスが生じていることにより、腰椎に過負荷が加わったことにより発生することが多いように感じています。 ストレッチやトレーニングを適切に行えるようになれば、問題ありません!
腰痛の原因
注意しないといけないとはどういうことなのか?
それは、腰痛をきたす原因が運動器(簡単に言うと、骨・関節・筋肉など)に起因するものではなく、他の疾患が腰痛症状を誘発している場合のことを言います。この場合は、運動やストレッチ・トレーニングで治ることはないと思うので、専門医の受診・治療が必要です。
では、どういったものがあるのか?以下に簡単にまとめてみようと思います。
腰痛の原因①脊椎疾患
脊椎腫瘍 | 脊柱(背骨)にできた腫瘍(ガン)は、 多くの場合、前立腺や肺など他の臓器にできたガンが転移したもので、 脊柱にガンが転移すると、激しい痛み(安静時痛:じっとしていても痛い・寝ていても痛い)が昼夜問わず生じます。この安静時痛がみられる症状は要注意です。 腫瘍ができた場所によっては、下肢の麻痺や排尿・排便障害が起こる場合もあります。 |
脊髄腫瘍 | 脊髄に腫瘍ができる場合は、一般的に良性であると言われているようです。 この場合、慢性的な腰の痛みのほか、下肢に麻痺(力が入りにくい・動かないなど)が現れます。 腫瘍が大きくなると、脊髄神経を圧迫し、排尿や排便障害を起こすようになります。 |
脊椎 カリエス | 結核菌が脊椎に感染して発症し、強い腰痛や背中の痛みが生じる病気です。 日本では20歳代が後発年齢とされています。 だるさ、疲れやすさ、微熱などの結核特有の全身症状が現れるとされています。 |
腰痛の原因②内臓の疾患
消化器系の病気 | ①胃・十二指腸潰瘍 ②胆石 ③胆嚢炎 ④膵臓炎 などの場合に腹痛や血便、吐き気、嘔吐などがみられ、腰痛を伴うこともあります。 |
泌尿器系の病気 | ①尿路結石 ②腎結石 ③腎盂腎炎 ④前立腺がん などの場合に排尿障害や血尿がみられ、腰痛を伴うこともあります。 |
循環器系の病気 | ①心筋梗塞を起こした際に、締めつけられるような背中の痛みや腰痛が起こることがあります。 ②解離性腹部大動脈瘤があると、腰と下腹部に突発的な激痛が引き起ります。 |
婦人科系の病気 | ①子宮内膜症 ②子宮がん などの場合ではおりものの量の増加や不正出血などがみられ、腰痛を伴うこともあります。 |
腰痛の原因③ストレス(心因性)
強いストレスが原因で、腰痛を発症することがあると言われています。
心因性腰痛といい、「気のせい」ではなく、はっきりした痛みを感じるとされています。
最大の特徴は、痛む部位や痛みを感じる度合いが日ごとに変わり、不安が大きくなると痛みが増し、症状が日内変動あるいは日差変動することです。
ストレスで痛みを抑制する脳の働きが弱まるのか?脳との関係が示唆されています。
まれですが、うつ病などの精神疾患が原因で腰痛を訴えるケースもあると言われています。
腰痛の治し方:体操(ストレッチ&トレーニング)
積極的に推奨されるパターン
不良姿勢や日常生活の中で偏った使い方をしている、スポーツ活動中など特定の受傷機転がはっきりしているものなどが原因で引き起った、腰痛症状は適切に時期と方法を選択し、ストレッチやトレーニングを行うことで改善が期待できます。
◎非特異的腰痛症(いわゆる腰痛症) ○△下肢神経症状などを伴わない椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症 (下肢神経症状を伴う場合も一部適応になるケースがある) ○△腰椎分離症(グレードによります)
症状変化を適切に判断することを条件に推奨されるパターン
下肢神経症状や排尿・排便障害を併発しているような椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の方への対応は体操(ストレッチ&トレーニング)で効果を引き出せることもありますが、専門医と状況を把握しあいながら進める必要があります。
症状を引き出してしまった根本原因の姿勢や、関節可動域制限、筋力の低下などは改善をすることが可能ですが、傷めた神経や椎間板の治療はできないからです。
腰椎分離症に関しても、上記と同じ考えであり、 症状を引き出してしまった根本原因の姿勢や、使いかたの改善(クセや歪みなどの修正)、関節可動域制限、筋力の低下などは改善をすることが可能ですが、 分離した骨癒合に関しては治療できないためです。専門医に的確に画像診断していただき、体操で積極的に攻めてよい時期、癒合に専念した方がよい時期など見極めが重要です。
推奨されないパターン
運動器以外の原因で腰痛症状をきたしている場合です。
この場合は、早期に専門医の受診をお勧めさせていただきます。このトリアージが非常に重要と私は考えております。何でもかんでも「体操で!」と抱え込むのではなく、慎重に問診をしながら日々施術にあたっています。
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