国民病!!「腰痛」アップデートver.③

腰痛

腰痛と心理的因子について

うつに代表される心理的因子、痛みに対する特徴的な思考などは相互に作用しているものと考えられています。

一般に、ストレスが増えるとコルチゾール(副腎皮質ホルモン)と呼ばれる代謝物質の放出が増えると言われています。適切なマッサージをうけるとこでこのコルチゾールが減ることが科学的に証明されています。

2016年の腰痛に対する非薬物療法の評価において、米国医療研究・品質調査機構(Agency for Healthcare Research and Quality)がマッサージ療法と通常のケアまたは他の介入とを比較した20件の研究を調査したところ、マッサージ療法が慢性腰痛に有用であるとエビデンスを報告しています。ただし、件数が20件と少なく、エビデンスとしては弱さが残ります。

私の感覚では、日々さまざまなクライアントさまを施術していて、よく耳にすることが「施術を受けた後、血圧が安定して過ごすことができる日が増えました」、「施術を受けた後は、よく眠れるようになり、朝まで一度も目が覚めませんでした」など、自律神経の調子に影響が出ているようなことが多くあります。

カイロプラティックの分野でも、脊柱(背骨)の調整を適切に行うことで、自律神経の乱れを改善する効果があると言われているように、的確な施術を提供できれば、自律神経系に良い影響を与えることができ、その結果心因的にも安定した状況を作り出せるのではないかと感じております。

腰痛に対する運動療法の効果について

急性腰痛に対する運動療法の効果

急性腰痛に対する運動療法の研究報告によると、運動療法は無治療群や他の保存的治療と比べ疼痛改善が同様であり、腰椎関連機能障害や健康状態、患者満足度などについて運動療法の効果を認めなかったと報告されています。

しかし、私の感覚ではこの腰痛発生の急性期(早期)に正しく対処することで改善に至る速さが変わると感じています。

正しい対処というのは、正確な診断→確実な治療(時には投薬や注射を含む)・確実な対処(ほかの症状を出さないための動作指導、力をうまく抜くための運動指導、安静による弊害を生まないためのストレッチや運動指導、生活指導、睡眠指導など)を行うことで症状が早期に緩解し、日常生活および社会活動へ復帰できるのが早くなると考えています。

亜急性腰痛に対する運動療法の効果

亜急性腰痛に対する運動療法とプラセボ、あるいは一般的な保存的治療の比較を行った研究では、運動療法の腰痛に対する中等度の効果や運動療法の復職に対する効果が報告されています。

上記で述べた急性腰痛からの対処を継続的に行うことで、症状改善及び再発の予防まで運動療法では可能だと考えています。

慢性腰痛に対する運動療法の効果

慢性腰痛患者の運動療法の研究では、運動療法が腰椎可動域や機能障害の改善に効果があり、疼痛、運動機能、健康状態、筋力および持久力も改善したと報告されています。

急性期・亜急性期から正しい対処を的確に継続していくことでさらに効果は高まると考えています。また、慢性腰痛から再発を繰り返さないために、定期的なセルフコンディショニングや当院のような施術施設でチェックを受けながら、その時々の症状に合わせた運動指導や生活指導を行うことで、ご自身の身体とうまく付き合っていくことができると私は考えています。

腰痛に対しての治療について

ちなみに、整骨院などで行われるマッサージ、鍼治療、温熱治療や牽引療法、超音波療法や電気療法などは各研究報告において機能改善に関する明確な効果は得られていないとされています。

要するに、その治療をして効果を感じれば満足度も上がるのでそれでもよいかと思いますが、腰痛の根本的な解決には至らないということです。

腰痛に対して効果が明確になっているのは、上記の通り運動療法であり、マッサージだけでもダメなんです。

各種手技療法を用いての施術の後、その効果を継続させるための的確な運動療法及び生活指導・動作指導が必須であるということになります。

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国民病!!「腰痛」アップデートver.③についてのまとめ

今回の記事で「腰痛」に関するアップデート情報の提供は最後になります。

今回の記事でお伝えしたかったことは、腰痛が発生した初期はいかに早く正確に「炎症」を抑えるかということです。(炎症を抑える手段は、ケースバイケースで最良の方法が望ましいでしょう。注射や内服、アイシング、時には適度な安静があっても良いでしょう。)

そして、その「炎症」が落ち着いたらいかに早期にその炎症によって生じたトラブル(筋肉のアンバランス、身体の歪み、身体の崩れた動作パターン)を改善する手立てを打つかということです。

また、その手立てと同時に、再発予防のためのプログラムも同時に考えなければなりません。その理由は、腰痛はほとんど改善する症状ですが、再発率が高い症状であるということが背景にあります。

なかなか症状が改善しない、何度も腰痛を繰り返している、最近腰痛を感じるようになったという方がもしいらっしゃいましたら、一度ご相談いただければ幸いです。的確に評価(チェック)させていただき、最良のアドバイス・施術をさせていただきます。

今回の記事も最後までお読みいただきありがとうございました。

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