アーティスティックスイミング競技の楽しみ方

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アーティスティックスイミングとは?

アーティスティックスイミング(Artistic swimming)は、プール内で音楽に合わせて肉体を動かし、技の完成度、同調性、構成、芸術的な表現力などの得点で競う水泳競技の一種です。

昨今では「AS」と略されることが多いです。

2017年まではシンクロナイズドスイミング(Synchronized swimming)と呼ばれておりました。

1984年に開催されたロサンゼルスオリンピックより正式種目に採用され、当初はSolo種目のみでしたが、後にDuet競技が採用されました。1996年のアトランタオリンピックではTeam種目のみとなりましたが、2000年のシドニーオリンピックでDuet競技が復活し、以降に開催された大会では、DuetとTeamの2競技が行われています。

アーティスティックスイミングのルール

アーティスティックスイミング競技は、2022年6月にハンガリーのブダペストで開催された世界水泳競技選手権大会以降ルールが改訂されました。

世界水泳選手権2022 @ハンガリー(ブダペスト)についての記事は以下をお読みください!

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アーティスティックスイミングのルール改訂のタイミング

例年、オリンピック競技大会が終了した翌年にルール改正案が公表・議論され、その翌年からルール改正となることが多い(2016年Rioオリンピック→2017年世界選手権→ルール改正案公表・議論→2018年1月から新ルールスタートという流れが通常)が、今回のルール改正では、新型コロナウイルス感染症の世界中に拡大された影響により東京2020オリンピックが延期されたことやFINA World seriesをはじめ、世界選手権などの国際大会が次々と延期や中止になったことが関係しています。

アーティスティックスイミングの2023新ルールとは?

私はアーティスティックスイミング競技(関わり始めたころはシンクロナイズドスイミングと呼ばれていた)と関わって7年目になりますが、今までの歴史を振り返っても類をみないほどの大幅なルール改正になっていると思います。

一視聴者、一観戦者として競技を楽しもうと思っても、点数は何を基準に決まっているのか?がさっぱりわからず、国によって点数はあらかじめ決まっているのか?と思えるほど、毎回毎回どの大会も同じような順位が続いているように感じることもありました。

今回のルール改正によってこれからは、そうではなくなりただ単に難しいことを質高く遂行した選手が勝つという非常にシンプルでかつスポーツ的な戦いが楽しめることと思っています。

今回の記事のシリーズにて「新ルールの大まかな変更点」・「新ルールで変わる競技種目」・「新ルールで変わる採点方法」についてお伝えしていきたいと思っています。

アーティスティックスイミングの2023新ルールの概要

2022年10月3日に国際水泳連盟(FINA)は、オンライン会議で各競技のルール変更を審議し、アーティスティックスイミング(AS)は採点の透明性を高めるため、技術面の評価はフィギュアスケートのように個々の技ごとに難易度の得点をつけるということに変更されました。

一方、芸術性はこれまで通り、審判員の主観で評価するということに変更はありません。それぞれの評価を合算し、順位を競うことに変わりはありませんが、最終的な得点は今までのような100点満点での採点ではなくなり、点数は青天井ということになります。

今後は、フィギュアスケートのようにパーソナルベストやシーズンベストというような表現がなされていくのかもしれませんね。

現在、2023年1月からスペインやギリシャ、イタリアといったヨーロッパを先駆けに、世界中で新ルールにのっとった試合が開催されています。

アーティスティックスイミングの2023新ルールを少し深掘り

もう少しだけ詳しくルールの変更点について説明すると、

2022年までは、採点は審判員の目や感覚・感性で行われる主観的評価でしたが、

2023年シーズンからは大幅に変更され、技別の難易度に応じたスコアリング(難易度点)が決まっていたり、水中に潜っている時間や脚技における動作数(関節を動かした回数や方向の変更)に応じてスコアリング(基礎点:ベースマーク)が設定されていています。

さらに、脚技をしている間に移動した距離やルーティーンのラスト20秒にする脚技に対する加点(ボーナス点)、TeamやDuetのみですがアングル(脚技の際の足の角度や方向など)やコネクション(スイマー同士のつながり)、パターンチェンジ(体形変化)に対して加点(ボーナス点)があります。

これらの変更によって演技に対する評価が可視化され、点数は誰が見てもわかる(要するに、高度なことをすればその分高い点数をもらうことができる)ような客観的なものになっています。

逆にいうと、これまでは少々技を失敗していてもうまく失敗に見えないように誤魔化せていた部分がありましたが、2023年シーズンからはそうはいかず、失敗するとその分点数がマイナスになっていくという仕組みになっています。

アクロバティック要素(リフト:Duet、Team競技のみ)も難易度に応じたスコアリングが設定されており、設定されたリストから選択して行うことになります。

もし、リストに存在しない新しいオリジナルのアクロバティック動作を考案したのであれば、FINAに申請し認定(その技に対する難易度点数をつけてもらう)を受ける必要があります。

ただし、この認定には3か月の期間を要するとされています。

ですから、オリンピックや世界選手権に向けて新たな技を作り上げて高得点獲得をしようと計画するのであれば、事前に申請を済ませ、国際水泳連盟からの認定を受けておく必要があるということなのです。

その年のメインとなる大会へ向けての選手強化と並行してそのメインとなる大会を勝ち抜くために新技の開発などすることが今まで以上に山積みになっていくことが予測されます。

アーティスティックスイミング競技の楽しみ方についてのまとめ

今回の記事では、アーティスティックスイミング競技についての紹介と、ルール改正の概要を簡単にお伝えしてきました。

ルール改正の概要で、今回の記事でのポイントは「難易度点」・「基礎点」・「ボーナス点」の3つが採点に加わったことで、より明確な採点基準が設けられ、観戦している側もわかりやすいように変更がされたということです。イメージとしては、フィギュアスケートの採点基準とほとんど同じような感じと思っていただければわかりやすいと思います。

次回以降の記事では新ルールの詳細について触れていきます。7月14日から福岡で開催される世界水泳をより楽しみながら観戦ができるようにアーティスティックスイミング競技について発信していきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

次回の記事も楽しみにしていただけますと幸いです。

以下の記事も合わせてお読みくださいませ!!(全5回のシリーズでお届けの予定です)

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