夜寝ている時など、寒くなったこの時期、ふくらはぎが急にピキーンとつった経験はありませんか?
翌日もふくらはぎに違和感が残ったり、睡眠の質が低下して良いことはないですよね。
原因を理解して簡単にできる対策をしてみましょう。
こむら返りとは?
こむら返りとは、足や手などの筋肉が伸縮・弛緩のバランスを崩して異常な収縮を起こした結果、元に戻らなくなるといわれています。わかりやすく言い換えると、自身の意思とは関係なく、筋肉がけいれんを引き起こし、痛みを主とした症状(通常は数秒から数分持続する)を引き起こすもののことです。
こむら返りはふくらはぎの筋肉が一番有名ですが、足の裏、太ももの後ろ、前、内側、外側など脚のどこにでも起こる可能性があります。笑いすぎたときに腹筋がつったり、急に振り返ったりしたときに首がつったりという経験をされた方もいらっしゃるかもしれませんね。
こむら返りの原因
こむら返りは、加齢とともに発生頻度が高くなり、50歳までに誰もが一度は経験し、50歳以上の約30%の方々がこむら返りを日常的に繰り返しているという話もあります。
そして、そのうち20%の方でこむら返りが夜間の睡眠時間帯だけではなく日中にもこむら返りを経験していると言われています。
こむら返りの原因は、解明されていない部分も多いですが、
一般的には、 ①活動量低下により筋肉の長さが短くなる ②妊娠 ③脱水 ④電解質異常(マグネシウムやカルシウムの低下など) ⑤慢性腎不全(人工透析を受けている方など) ⑥静脈瘤や動脈硬化など ⑦腰椎椎間板ヘルニア ⑧糖尿病、甲状腺機能異常、慢性肝不全などがあると発生しやすいと言われています。 さらに、 ①無理なダイエットによる食事制限での栄養不足および水分不足 ②準備運動をせずに急に体を動かしたとき ③運動後のクールダウン不足による筋疲労 ④寒暖差 ⑤冷え性 が加わるとさらに頻度は上がると言われています。
こむら返りの予防と治し方
こむら返りの予防と治し方①「脱水状態の改善」
①夕食時にアルコールを楽しまれる方も多いのではないでしょうか?
ご存じの通り、アルコールには利尿作用があり、身体の中は脱水状態になることが多いです。
②この寒い時期、夜起きてトイレに行くのは嫌ですよね?それをしなくてよいように睡眠前や睡眠中に水分制限をされている方はいませんか?
③ダイエット目的での半身浴で多量の発汗を促していたり、運動中に水分摂取制限をされている方はいませんか?
睡眠時のこむら返りには、脱水が関与していると考えられています。
寝ている時も身体は代謝を繰り返し、エネルギー消費をしています。
上記に当てはまる方がいらっしゃれば、水分補給を意識的に行ってみてはいかがでしょうか?
スポーツドリンクなどには、ミネラル成分が含まれていることが多いです。歯みがき前に一口、二口飲んでみるもの良いかもしれませんね!
枕元にもコップ1杯の水を置いておくと夜中目が覚めたタイミングで水分補給が可能です!
水分補給は、ゴクゴク飲む必要はありません。一口、二口で十分です。口腔内(口の中)、咽頭(喉)が潤う程度で十分です。
水分補給にとって重要なことは1回に摂取する「量」ではなく、1日の中で摂取する「回数」が重要です。1日を通して「脱水」状態にならないことが最も重要なのです。
こむら返りの予防と治し方②「食事メニューの工夫」
毎日食べる食事を少しだけ意識して変えてみませんか?
こむら返りの対策に良いと言われる栄養素は、マグネシウムやカルシウムやカリウムに代表される電解質(ミネラル)成分です。
マグネシウムの多い食べ物
- ほうれん草(おひたしやお味噌汁が良いですね)
- サバ(オリーブオイルで焼いたり、味噌煮も良いですね)
- ナッツ類(アーモンドやカシューナッツ)
- ゴマ(薬味としての利用、胡麻ドレッシングなど)
- 鮭(朝ごはんにいかがですか?)
などがあります。
カルシウムの多い食べ物
- 乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど。3食の食事にプラスしてみてはいかがでしょう?)
- 大豆食品(豆腐や油揚げ、納豆など。副菜に足してみても良いかと思います)
- 魚介類(小魚、シラスなど骨ごと食べられるもの)などがあります。
カルシウムの吸収を良くするためのポイントは、ビタミンDを含む食品と一緒に摂取することです。ビタミンDはシイタケやマイタケなどのきのこ類に多く含まれています。また、日光に当たるということも重要と言われています。日中、少しの時間散歩などで日光を浴びながら少し運動してみませんか?
カリウムの多い食べ物
- 切り干し大根(副菜に足してみてはいかがでしょう?)
- アボカド(マグロと合わせるとおいしいですね)
- バナナ(バナナチップスは生より約3倍のカリウム量)
- 海藻類(刻み昆布、ひじき、わかめなど)
カリウムは、体内の塩分濃度を引き下げる役割もあります。血圧が高いと気になっていらっしゃる方にもおすすめですね。
こむら返りの予防と治し方③「生活にストレッチを取り入れる」
こむら返りを予防するためのストレッチとして有効なものは、脚の後面にある筋肉の柔軟性を高めておくことです。
主には、 ①太もも後面のハムストリングス ②ふくらはぎ後面の下腿三頭筋 ③足の裏の足底筋膜 を最低限押さえておけば良いかと思います。
ハムストリングスは、長坐位になり前屈運動を行えばストレッチできます。(こちらの記事に写真付きでストレッチの方法を解説していますので是非、ご参考にどうぞ!)→「大腿後面のストレッチ」の項目をご覧ください!
下腿三頭筋は以下の写真のような方法でストレッチすることができます。
下腿三頭筋はその名の通り「三頭筋」なので、3つの筋肉の繊維が合わさってそう呼ばれています。①腓腹筋内側頭、②腓腹筋外側頭、③ヒラメ筋の3つで、2関節筋(2つの関節をまたいで筋肉がついているということ)である腓腹筋の内外側頭と単関節筋であるヒラメ筋という特徴があります。
そのため、下写真のように膝関節を曲げて行うストレッチと、膝関節を伸ばして行うストレッチの2種類を行う必要があります。
足底筋膜は、ゴルフボールなどを脚の裏におき、コロコロ転がすようにすればほぐすことが簡単にできます。テレビを見ながらなど「ながらほぐし」で十分効果が出ます。
ストレッチは伸ばそうとしているターゲットの筋肉に伸張感(痛みは伴わない)があればOKです。自然に呼吸ができる程度の強度で、20秒程度行ってみてください。もし、筋肉の硬さに左右差があれば、硬いと感じる方を1セット追加して行うことを推奨しています。運動前や運動後、お風呂上りや就寝前に取り入れていただいてはいかがでしょうか?
こむら返りに関するまとめ
今回は、こむら返りに関する情報と自宅で簡単にできる対策についてお伝えさせていただきました。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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