股関節の構造と機能について
前回ブログのでもお伝えをしましたが、復習を兼ねて再度すこしだけダイジェスト版で構造と機能についてお伝えしていきます。
股関節は、両方の脚の付け根にある関節です。骨盤(腸骨)側にある臼蓋(関節の受け皿の部分でお茶碗のようなカップ状の形状をしています)と大腿骨(太ももの骨)の大腿骨頭(大腿骨の上端にある球状のヘッド部分)がはまり込むような形で構成されています。
関節部分の骨の表面は関節軟骨で覆われており、関節に近い最深層に靭帯、その上層に深層筋、その上層に中層・浅層筋と軟部組織が存在しています。
主に関節軟骨は股関節にかかる力を吸収する作用があります。そして関節運動を滑らかにする作用があり、関節軟骨があるおかげで股関節がスムーズに動いています。
また、股関節の最大の特徴と言っても過言ではないその特徴は、臼蓋(受け皿)に対して骨頭(大腿骨上端の球状の骨)のはまり込みが深いことです。その関節周囲を筋肉や靭帯などの軟部組織で覆っているため関節自体の関節可動域は大きいのに、関節安定性はとても高い構造になっています。
一般成人の健康的な股関節は、交通事故レベルの強い衝撃でも受けない限り脱臼するようなことはないと言われているほどです。
股関節の痛みに対するセルフチェック項目
- 脚に常に重さを感じませんか?
- 動き始め、歩き始め、動きの切り替えしなどの際に脚の付け根が痛みませんか?
- 軽い運動をした後、脚の付け根やお尻の横が痛みが持続しませんか?
- 家族あるいは親戚に股関節の病気を抱えている人がいませんか?
- 歩いている時に、左右に体がゆれていませんか?
- スカートやズボンの丈が左右で合わないことはありませんか?
- 階段や敷居などの段差を上がり降りするのが億劫ではありませんか?
- 幼少期よりあぐらがかけないといった症状はありませんか?
上記、8項目のセルフチェックの内、1つでも該当する項目があれば、早い目の対処をすることが望ましいと思います。
筋力低下や関節可動域制限は簡単な予防運動で改善できるケースが多いです。
「まぁ、まだ大丈夫かな?」などと放置することで、骨盤の位置に左右のズレを生じたり、姿勢の傾きやほかの関節に代償動作(かばって生活するということ)が引き起こされ、別の部位にもなにかしらの症状を発生させてしまうかもしれません。
「あれっ?」と思ったその時が身体の変化(老化を含む)の始まりです。早めのチェックと運動(トレーニングやストレッチ)のケア&コンディショニングをおすすめいたします。
股関節痛を放置するとどうなってしまうのか?
股関節の痛みだけでは決してありませんが、関節痛を放置する事は様々なリスクを増やしてしまうと思います。
股関節の痛みに限って話を進めると、筋肉や筋膜に何かしらのトラブルが引き起ったことが誘因となり股関節痛が始まったとしても体全体のバランスが崩れる事により痛みが増すことに発展してしまうことが想起されます。
また、びっこを引くよう(足を引きずらないと歩けない)な歩き方になり、歩行障害が発生してしまう事も想起されます。
そして、そうした歩行障害が増悪し、症状が進行してしまうことで、左右の脚に均等に体重が乗せる事が難しくなるなり、関節(骨・軟骨自体)に大きな負担をかけてしまうことにつながり、結果的に変形性股関節症へと症状が発展してしまう場合もあると思います。
関節軟骨に負担がかかり、関節軟骨のすり減りや関節の形状の変形が始まってしまうとそれを根本的に解決するには人工関節置換術をはじめとした手術が必要になってしまうケースもあります。
そして、手術をしたとしても日常生活に復帰するため、あるいは仕事や趣味のスポーツなどに復帰するためには、リハビリテーションをすることになってしまいます。
一般的には手術後、約3か月間は通院が必要になるケースが多く、費用出費や時間的拘束を強いられることになります。また、一度人工関節置換手術を受けても約20年後にはその耐久性が徐々に失われると言われており、再手術が必要になるケースもあります。
そうなればさらに負担が増してしまいますよね?
ですので、痛みを我慢するのではなく、痛みが出たということは、何か自身の身体に変化が起きたと捉えていただき、今まで当たり前にできていたことができなくなったという現実を受け入れ、それが再び当たり前にできるように対処をする必要があると思います。
股関節の痛みとその原因②についてまとめ
今回のブログでは、前回のブログでお伝えしていた股関節の構造・機能に関するおさらいと、股関節痛に対するセルフチェック項目、股関節の痛みを放置することで想起できるリスクについてお伝えをさせていただきました。
大事なことは、放っておかないことと、気づいたタイミングで早めの対処を行うということです。
なにかしら症状が出て、何かしら活動に制限が生じるということは、どこかにそれをできなくする原因があると思います。
原因を探り当て、それを改善するためのストレッチやトレーニングなど自己管理が上手にでき、自身の身体とうまく付き合っていくことが大事なんだと思います。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。
次回のブログでも引き続き有用な情報をお伝えしていきたいと思っています。
引き続き、よろしくお願いいたします。
コメント