アーティスティックスイミング乾友紀子選手 海外遠征移動中の悩み

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ArtisticSwimmingの国際⼤会には、オリンピックやアジア大会、世界選手権のほかに、World Cupがあります。原則的には、オリンピック、アジア大会は4年に一度で、世界選手権は2001年から2年ごとの奇数年に開催されています。

しかし、ここ数年のコロナ禍の影響でで、ほかのスポーツ競技団体の大会と同様にこの予定は大きく変わっており、多くの競技会は玉突き状態であり、2024年に開催されるパリオリンピックまでに大会スケジュールが詰め込まれている状況です。

World Cupは毎年開催されていて、フィギュアスケートのように年間シリーズ化されています。毎年だいたい3回~4回のWorld Cup○○大会という形で、いわば予選のような大会が世界各地で開催され、その後、フィギュアスケートで言うグランプリファイナル大会がArtisticSwimming競技においてもSUPER FINAL大会という形で設定されているというわけです。

#1 CANADA Markham大会 16-18 Mar

この大会に関する記事はコチラです。まだお読みになられていらっしゃらない方はこの機会に合わせてお読みいただけると嬉しいです。

#2 FRANCE Montpellier大会 05-07 May 2023

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#3 EGYPT Soma Bay大会 13-15 May 2023(乾選手は出場なしのため記事はありません)

#4 SUPER FINAL SPAIN Oviedo大会 02-04 Jun 2023

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アーティスティックスイミング乾友紀子選手 World Cup帯同記 長時間移動編

昨今の新型コロナウイルス感染症による世界的行動制限からのようやく明けてきたタイミングということや、戦争の影響もありフライトの便数がまだまだ少ない状況です。それに加えて、開催地がいずれの大会も主要都市ではなく、郊外ということもあり、国内線での移動が必要になることも影響しています。いままでスペインで開催されていた大会はバルセロナやマドリードで開催されることが多かったと聞いています。

2016年秋ごろよりArtisticSwimming競技に帯同して毎年様々な大会で世界各地へ遠征していましたが、31時間を超える飛行機での移動は今回が初めてです。

今回のフライト予定は以下の通りです。

成田国際空港発→ドーハ空港(フライト時間:11時間35分)
ドーハ空港(Transit:4時間待ち)
ドーハ空港→バルセロナ空港(フライト時間:7時間10分)
バルセロナ空港(Transit:7時間)
バルセロナ空港→アストゥリアス空港(フライト時間:1時間35分)
アストゥリアス空港→HOTEL(TAXI移動:約1時間)

最終調整合宿をしていた東京都北区の国立スポーツ科学センターを出発したのが5月28日の17:30のことでしたから、現地HOTELに到着するまで約37時間の大移動でした。ちなみに、現地HOTELに着いたのは現地時間で5月29日の0時過ぎのことでした。

アーティスティックスイミング乾友紀子選手 World Cup帯同記 到着後編

毎回、遠征帯同記の記事で触れている話題ですが、フライトでの長時間移動の後は、ArtisticSwimming競技の選手の商売道具である「脚」が浮腫んでしまい、翌日からの練習に差し支えてしまいます。

ですので、毎度のことですが今回の遠征でも到着後、荷物のかたずけや軽くシャワーをして身を整えた後は、ケアを開始します。

脚はなぜ浮腫むのか?

では、なぜ脚が浮腫むのか?ということですが、一般的に私たちの体の中で、足は最もむくみやすい部位のということは誰しも想像ができることと思います。その主な理由としては、心臓との距離が遠いことから、血流の流れが悪くなりやすいということが考えられます。

血液の流れが悪くなると、血液中の水分が血管やリンパ管の外に染み出し、皮膚の下に溜まっていきます。その溜まった水分によって、膨らんだ状態になってしまうのが浮腫みの正体です。

足がむくむ原因として最も大きいと考えられるのは「長時間同じ姿勢でいること」がイメージしやすいと思います。そのため、遠征での長時間のフライトでの移動はもちろんのこと、普段から長時間の立ち仕事やデスクワークなどをしている人は、むくみで悩む人が多く見られるようです。

また、血液の循環には心臓だけでなく、足の筋肉量にも左右されるため、運動不足の人ほどむくみやすいと言われています。そのほか、睡眠不足や疲れ、ストレスなどが原因で心臓の働きが低下して、むくみが発生するケースもあるようです。

LEAP Physio Lab.に通われるお客様の中にもこういった仕事に従事されていらっしゃる方が多く、仕事後に来院され、1時間程度のストレッチやトレーニングをした帰りがけには、履いてきた靴に隙間ができたり、履いてきた靴下の締め付けが軽くなったり、歩いてきた足取りが軽くなって帰られる方が多いですね。

話が反れてしまいましたが、飛行機内では低湿度に加え、トイレの回数を減らそうと水分補給も控えめになる人が多く、味付けの濃い機内食を召し上がられることも浮腫みが起こりやすいということに影響すると思います。

機内食はメリハリのあるはっきりとした味付けで調製しています。なぜなら上空に行くと、気圧の関係で人間の五感の一つである【味覚】が鈍感になるから。地上が1気圧だとすると上空では0.8気圧ほどで、この気圧の違いにより、塩味が約20~30%、甘味が約15~20%低下すると言われています。そのため、機内食はこの環境変化を見込んだ味付けをしています。ただ、単に調味料を多く使用しているというわけではなく、食材本来の味の濃淡を際立たせるような調理・味付けをしています。一口食べて「おいしい!」と感じていただくには味にインパクトが必要なのです。

ジャルロイヤルケータリング株式会社HPより引用しています。

http://www.jalroyal.co.jp/

アーティスティックスイミング乾友紀子選手の場合

飛行機内でも最低でも1時間に1回は立ち上がり、空いたスペースでストレッチや軽運動をしたり、座席に座って映画を見ている間やTransitの待ち時間の間も脚のセルフマッサージをしたり気を付けているアスリートである乾選手でも脚が浮腫むのか?ということですが、ほかの競技のアスリートに比べると脚の筋量が少ないということが影響していると思います。

アスリートに比べるまでもなく、一般の方と比べても脚の筋肉は多少少ないかもしれません。なぜなら、彼女は普段の生活においても陸上で立って生活しているより水中で練習している時間の方が長いんです。

要するに重力下で自身の体重を脚で支えて生活するということが彼女にとってはすごくきついんです。冗談に聞こえるかもしれませんが、駅のホームから改札階に移動するあの距離の階段移動でさえ、エスカレーターやエレベーターを探すほどなんです。ですので、脚が浮腫みやすいということもあるのかもしれません。

脚の浮腫みだけではなく腰痛が起こることも…。

普段、腰痛を訴えることはほとんどない乾選手ですが、遠征での移動の際には腰痛を訴えることがしばしばあります。予防のために、移動前には腰部保護のためにキネシオテーピングを貼っているのですが、長時間同一姿勢で普段のように動いていない時間が長くなると、背部の筋肉をはじめ、殿部や大腿部の筋肉を動かす機会が減ってしまい、不動による血液循環の制限が起こり、結果的に筋肉のコリが出来、一般の方と同じような筋筋膜性腰痛を引き起こしてしまいます。

ケガで痛みを引き起こしているわけではないので、マッサージやストレッチ・軽運動など一般の方に施術するのと同じ流れで対処していきます。

簡単に説明するとまず、ハムストリングスや大腿筋膜張筋などの大腿部の筋肉をほぐし(ここが固まると骨盤の動きを制限し、腰部に負担をかけてしまします)、次に臀部の筋肉を表層から深層の順にほぐしていきます(臀部の筋肉が固まると股関節の動きが制限され、腰部に負担をかけてしまします)。ここまでくると、腰部の筋肉の緊張はだいぶとれています。脊柱起立筋や腰方形筋など余計な緊張が残っている部分を調整し、ほぐしていきます。最終的に、頚部や頭部のアライメント(姿勢状態)を確認してズレている部分を調整して終了です。

アーティスティックスイミング乾友紀子選手 海外遠征移動中の悩みのまとめ

大会帯同記では、いつも触れている脚の浮腫みやそのほかの症状について、一般的な知識情報を加えながらお伝えしてきました。

次回の記事は、大会帯同期間中試合本番が始まるまでどんなスケジュールで活動しているのか?SPAINのOviedoってどんな街なのか?ということをお伝えしたいなと思っています。今回は、ゆっくりブログの記事を書く時間があるので、普段記事にしていない部分もなるめく詳細に綴っていきたいと思っています。

今回の記事も最後までお読みいただきありがとうございます。

次回の記事も楽しみにしていただけると幸いです。

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