新ﾙｰﾙにおけるｱｰﾃｨｽﾃｨｯｸｽｲﾐﾝｸﾞの得点の計算方法

2023年7月に福岡で開催される世界水泳に向けて、アーティスティックスイミング競技のルールについて情報発信を行っています。

私がサポートしている乾友紀子選手の演技をより楽しんで観戦・応援できるようにわかりやすく伝えていきたいと思っています。

アーティスティックスイミング競技の楽しみ方①・②・③・④では、新ルールの大まかな概要、各カテゴリーごとの競技種目、演技構成と演技時間、演技の評価方法についてお伝えして参りました。

記事をまだお読みでない方は、下記のリンクから確認してみてください！

第5弾では、採点の基準や得点の計算方法についてお伝えをしていきたいと思います。なお、今回の記事でルールなど競技についての情報は一区切りとさせていただきます。

アーティスティックスイミング新ルールでの採点基準
アーティスティックスイミング新ルールでの得点の表示のされ方
1. Technical ROUTINE
2. Free ROUTINE
アーティスティックスイミング新ルールでの得点の計算の方法
1. Technical ROUTINE
2. Free ROUTINE
新ﾙｰﾙにおけるｱｰﾃｨｽﾃｨｯｸｽｲﾐﾝｸﾞの得点の計算方法のまとめ

アーティスティックスイミング新ルールでの採点基準

採点は0〜10点で採点される。

下記の表のような基準で点数が出される。

	2022年世界選手権まで	2023年シーズンから
完璧	10	10
完璧に近い	9.9～9.5	9.75－9.5
秀でている	9.4～9.0	9.25 – 9.0
大変よい	8.9～8.0	8.75 – 8.0
よい	7.9～7.0	7.75 – 7.0
十分	6.9～6.0	6.75 – 6.0
普通	5.9～5.0	5.75 – 5.0
不十分	4.9～4.0	4.75 – 4.0
弱い	3.9～3.0	3.75 – 3.0
大変弱い	2.9～2.0	2.75 – 2.0
認めがたい	1.9～0.1	1.75 – 0.25
完全な失敗	0	0

※最小単位が0.25ポイント刻みになった。

点数が0.25ポイント刻みになったことにより、ジャッジは点数を出しやすくなることと、選手間同士での評価に差をつけやすくなるものと考えられます。

簡単に言うと、「A選手」に対して「B選手」の演技がちょっとだけ上手であったのであれば、0.25点上となり、上手であれば0.5点、明らかに差があるように上手であれば、0.75点上というように差をクリアにすることができるという思惑が今回の採点方法の変更が入ったものと思います。

これまでのあいまいな採点点数から、「完璧」「よい」「弱い」の4カテゴリーが各4段階で採点されることになり、より正確で納得のいく、優劣のつけやすい評価システムになったと言えると思います。

アーティスティックスイミング新ルールでの得点の表示のされ方

Technical ROUTINE

上の図のように電光掲示板に演技終了後に得点が表示されます。

TOTAL DEGREE OF DIFFICULTYは規定要素5つと2つのHYBRID動作（脚技の連続）の難易度の合計を表しています。

ELEMENTSは、規定要素５つと２つのHYBRID動作に対して5人の審判が10点満点で点数をつけます。その点数の中間3つの得点の平均値にそれぞれ7つのHYBRID動作の難易度を掛けます。そして、その点数にあらかじめ決められている係数をかけて算出した点数の合計得点を表しています。

ARTISTIC IMPRESSIONは、ROUTINE全体を通して、その芸術性（3項目あります）を評価します。これは、主観的評価であり、5人の審判がそれぞれ10点満点で採点します。その点数の中間3つを足し合わせて、その点数にあらかじめ決められている係数をかけて算出した点数の合計得点を表しています。